[話がそれた。ともかくあの“客”は父の遠縁であり、同時に父の事情を知ってなお、目をかけてくれている数少ない人物のひとりなのだと知った]ってことはあのおじょうさん……じゃなくてファミルは、僕の遠い親戚でもあるのか。仲良くできるかなあ……。[商売上の利害の一致から来る“仲良く”ではなく。同じ年頃の少年同士として“仲良く”できることを望んで、その言葉は呟かれた。父は、なんだか複雑な表情をして、その呟きを聞いていた**]