[爪を立て逃げようとしたのは反射的な行動。この状況で落馬したらどれだけ危険かなどには一切思いが至らずに。だが悪足掻きも良いところの抵抗で抜け出そうとするのを許すほど、ベリアンも甘くはなかった。掴まれた背を強く押され、喉が解放されたことで取り込みかけていた空気をまた吐き出してしまう]クハッ、ケホッ。[危ないだろう、と怒鳴られる間は咳き込む方に忙しかったが]