[洪水のような瘴気が立ちこめ、電撃によって剥がれ落ちた壁が降り注ぐ。その様相はさながら、ミニチュア再現された魔界にも似ているだろうか。一瞬一瞬が命がけの綱渡りだ。避け切れなかったエッジの切り裂いた肌から滴る血が床に触れる前に蒸発する。その間隙、鞭のように愛撫のように、”城の核”の声が届く。>>208] そこまで言われると、靡きたくもなるが。 ああ、俺も、シメオンは丁重にお断りする。 [その点では、合意がなった。]