― 廊下 ―[キ、と高い音がして、硝子の嵌められた窓が斜めに割れる。次の瞬間には廊下の反対側の壁がチーズのように裂けて、白い兎が床に着地する。ほんの一瞬、鎖が鳴るだけの間を置いてまた跳躍した] ───…[曲がり角の柱を三等分にしながら、回転して降りる。一人の男の前>>221。兎の、網膜の血色を失って淡い紅の眼は、ヒトの形したものの首ではなく腰に佩いた剣へ向いていた]