[ 見た目ばかりは、人より重く見える体躯が、軽々と宙に跳ぶ。真っすぐ頭上に振り上げたクレイモアは、そのまま魔の頭上に落ちると見せかけて、くるりと、宙で身を捻った男の動きに軌道を変え、魔の背後から袈裟懸けに、その背を切り裂かんとする。それもまた、ローグの舞の動き...精霊に愛された者だけが、会得出来ると伝わる剣技だ ][ 上空に現れた黒竜の影と、強大な魔王の気配はまだ、男の意識に触れてはいない* ]