[>>216ジークムントの左腕に突き刺さった剣は彼の手によって引き抜かれ。
更に真紅が流れ落ち、彼の身を受け止める寝台に敷かれたシーツを赤く染める。]
――…っ。
[その長剣を見て、男の視線は固まる。教会で使用されているものだ。
ジークムントと対峙した修道騎士のものではないらしいが。]
リエ…。
[茫然と幼馴染の名前を零す。
冷静になって考えてみると、先程の一撃は彼の得意とする技に酷似していた。
流石にこの身に喰らった事はないので確証は持てないが。]
――……。
[あぁ、ジークムントが何かを言っている。
聞こえている筈なのにどこか遠かった。]