[最初の腕の一振りは弾いたものの、敵もそれに怯むものではない。
鬼の体を捉えんと、両の手を激しく振り回す]
くっ……図体の割に随分と、速いじゃないか!
[しかし娘もまた、鬼族にしては小さな体躯を、利点とすべく修行してきた身。
黒の立方体の角を蹴り、水平に、或いは隙間を縫うように跳ぶ。
そこにかかる、相棒の声>>184]
わかった、やってみるさ。
ほら、こっちだ!
[決定力に欠く攻防では、こちらの体力が尽きるのが先だろう。
ミリアムに応えるべく、竜の気を散らそうと、雷撃帯びた針を、竜の身の周囲へ取り囲むように投げる]