[そして別れの時。自分よりも悲しげな顔をしているように見えた弟に、宥めるように手紙は書くとも言いながら。もっともその手紙が弟の手に届くかどうか解らなかったが。引き留められる代わりにかけられた、再会の約束に、躊躇いながらも弟を抱きしめて。]…何時か―――[薄い榛の柔らかな髪を撫でながら。]