[小さな営みを積み重ね合い、二人で堕落に溺れても良い。
積み重ねたものを台無しにして、癇癪を起すのも良い。
彼と共に居ると、鈍いはずの感情が活発化する。
これは、まるで。
発情中の人間種に見られるような不安定感。
そう、あの症状の名はなんと言ったか――――。]
………、
[彼を視認していなくては我慢ならないのに、覗かれると背が疼く。
痛みではなく、苦しみではなく、痒みに近いがそれでもない。
挙句、その疼きは、己に衝動を齎した。
些細な罪を彼に問い、真摯な解を要求する。>>214
その上、言葉に変えられた本音を満足に聞き届けても、溜飲が下がらない。]