[己の立てた筋書きはこうだ。]
[外務長官殿は他国との外交を進める中で
国家乗っ取りの提案を受ける。
その誘いに乗った彼は他国のスパイと通じ
他国の暗殺者に王を暗殺させた。
彼の職務室には、他国とのやりとりを認めた密通の文書が
王が亡くなった混乱に己の所業を振り返り、恐ろしくなった彼は毒薬を飲んで
[あとはこの通りになるように既成事実を作るのみ。]
遺書とか書いてくれへんかなぁ。
『お願い』してみようかなあ。
[懐にあるのは庭園の戸棚で己の役目を待つ小瓶
……──ではなく、己のもの。
他人のものに遠慮したわけではなく、大事なことほど他人に任せないという性に起因してのことだった**]