[ 男はこれまで、亜人や闇の眷属と相対したことはあっても、魔界から地上を蹂躙するための意志をもって現れた生粋の魔将とは、戦ったことも顔を合わせた事も無い。
だが、黒に包まれ、闇を操るかの魔将からは、これまで感じたことのない、強い魔力の気配を感じていた。
決して一筋縄では倒せぬ相手。けれど、必ず倒さねばならない相手... ]
人間を......
[ 裂帛の気合を込めた切っ先は、楽しむ表情を崩さぬ魔の顔を縁取る銀糸を掠めただけで、躱される。>>216
猶予はないと告げた魔将が、地より喚び出した鋭い刺は、男の足に見た目通りの切り裂くような痛みを与えたが、男はその痛みに顔を顰めるでもなく、刺の上を踏み越えて地を蹴った ]
...舐めるなっ!!