―宿屋厨房―
[勝手口から宿屋の厨房に入ると、エプロン姿のシモンが茶の用意をしているところだった。>>145
鍛え上げられた身体にひよこ柄のエプロンという不釣り合いな組み合わせには、初めて見た時こそ面食らったが、今ではすっかり慣れてしまったので特に言うことはない。]
おはようございます。
今日の配達です。
…ええ、さっき仕立屋でペーターから聞きました。>>94
今年は早かったですね。
[定型文を口にすれば、帰ってくるお礼の言葉。
茶に誘いながら道がふさがったことについて尋ねられたので、「ではお言葉に甘えて」と談話室まで同行しながら、そう答えた。]