[クララの手が、頬にふれた>>224
涙で濡れた肌に。ペーターに、触れた。
クララは、笑っていた。>>225
満点の星空のような、そんな笑顔で。
そのときペーターは、奇妙な幸福感の中に居た。
ただ全てが大丈夫なのだと、そんな不思議な確信に満ちた、幸福。
伝えれば、伝わる。
伝えられたことが、届く。
そんな確信。
ペーターは頬を撫でるクララの手に、自分の手を重ねた。]
…僕の名前は、ペーター。ペーター・プロント。
この島の子ども。この島が嫌いで…でも、島の皆が、嫌いになれない。……大切たと、思ってる。
11歳の、子どもだ。
[ただ、当たり前のことを、ありのままに。]