― →聖女の下へ ―[駆ければ当然のように右腕が痛む。当然だ、肉の中で砕けた骨が神経に触れるのだ。痺れは首筋まで回って、感覚が鈍る。それでも駆け出さずには居られなかった。首筋に薄く浮いた汗を拭うこともせず、光を辿り、階段を踏みつけて伸び上がった。視界の向こうには、聖女の光。>>220] ―――ユーリエッ![聖女の下へ近づく光。彼女の思考に介入するよう、声が響いた。]