[ 彼女の言う受け入れがたい真実とは
何を、指しているのだろうか。
この時のあたしには思い至らなかったこと
そして彼女が知っている 真実のこと。
ええ、きっとこのときのあたしが
“王を手に掛けたのが軍部の人間だ”と
いつしか民に流れる噂を聞いていたのなら
彼女の言葉の意味をもうすこしだけ
注意深く、思慮深く、
真正面から、聞いていたのかもしれない
だけどそんなこと夢にすら思わずに
愚かだったあたしは表面的な事実ばかり
捉えようと、していたから。
きっとこれに気づくのは、ほんの少し後のこと
だから今は
一介の絵かきの言葉を単なる忠告として
頭の中に、刻みつけるの >>201>>202]