― 回想/ウィズルカだった頃 ―[弟が口癖のように言う夢に、叶うといいと言いながらも胸中でそれが難しい事を、6年先に産まれた自分は理解していた。幼いながら上手く描けていた設計図は姉の欲目もあってか才能を感じさせるものだったが、儚い幻のようで。目を細めそっと確かめるように図をなぞりながら、そうあれば良いと祈った。]