人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


商人 ファミル

 ― カレン・広場にて ―

[妻が死に、遺された娘と共に細々と生きてきた男。
娘は泣き言も言わずに、男を助け、仕事から帰れば慣れないだろうに家事もやる。
そりゃあ不安になった。何より、自分が死んで遺される娘。娘が死んで遺される自分。
妻が死んだときと同じ、絶望と悲哀と一握りの鎹。
鎹たる娘の御蔭で生き延びたが、お互いが居なければどう生きれば良いのだ。]

                           [猫は囁く。]

   『 だからこそ、娘を守る為に、二人分殺せばよい
   
                          んだにゃー

[ばっと振り返ったそこには、ふわぁあと欠伸する猫が一匹。
なんら変わりないいつもの風景で。
それは一種の天啓にも感じたのだろう。少なくとも、その男にとっては。*]

(226) 2014/03/29(Sat) 21:35:10

SWBBS V2.00 Beta 8++ あず/asbntby