── 回想:レストランに向かう前の通路 ──
[ 全体的に黒味のかかった男性に聞かれたのは>>184、突拍子もないことのように思えた。
しかし、ナネッテの観察眼は、相手の男性の瞳に灯った "欲" を機敏に察知する。>>165
純粋な好奇心で聞いている訳ではないのだと悟ったものの。
一辺倒にダメだと、言うなれば子供のようにあしらうには、少々大人気がないと思ったもので。 ]
写真家の御仁なのですね。
普段のシルバーメリー号とは違った……ですか。
[巡考してみせたから、じぃっと相手の目を見つめ。
秘密事を囁くように、声のトーンをひとつ、落とした。]
ここだけの話ですがね…………
レストランに、百年前の、えぐ……
トリッキーな料理が再現されたそうですよ。
なんでも、極秘の裏メニューだそうです。
[ 嘘ではない。
何の冗談だと叫びたくなるようなこの世のものとは思えぬ、ぼこぼこと泡立った冒涜的におぞましい料理を、実際に試食したのは事実であり、見た目に寄らず美味しかったことも本当である。
ただ、目の前の男性が欲しい情報>>185でないことだけは確実で。 ]