[二階に上がれば、廊下の両側に扉が並んでいる。真ん中あたりの適当な一室が開いていたので部屋はそこに決めた]
ふう。
本当に帰って来たんだなあ、わたし。
[窓から見える村の景色に、ついついそんな言葉が口に出る。
思えば、長いようであっという間の三年間だった。自分が凄く変わった気もするし、何も変わってないような感じもする。
ただ一つ、旅をして分かったことがあるとすれば、それは]
ああ、故郷っていいなあ。
[昔馴染みや、妹と話していた時も。そんな素振りは見せないようにしていたが、本当は懐かしくて泣きそうだった。たった三年会っていなかっただけでも、とても遠い存在になってしまっていたから]
それにしても、早く母さんと父さんに会いたい。
[三年だけでもこうなのだ。それより長いアルビンや、ディルドレ
はどんな気分だったんだろうか、なんて考えながら、しばらく村をぼんやりと眺めていた]