―少し前・艦長室前―
[遠慮なく使えと言われても、どうにも身についた価値観がなかなか邪魔をする。
様はいらないといわれても、さすがにリヒャルト呼びをする訳にはいかない。
そうして名乗られたフルネームに]
レーデ中佐、ですね。
[ありがたくそう言ったものの、肩書きでも、と思い出したように付け加えられた言葉に微か首を傾げる]
レーデさん?とかでしょうか。呼びやすいの。
[堅苦しい呼ばれ方は好まないのかもしれない。勿論公共の場や人のいるところでは弁えないといけないが、そうでなければ呼ばれたいように呼んでもいいんじゃないだろうか。
目の前の本人がそう望むのであればだが]