[意識の中で互いの状況を知らせてはいた。けれども、彼は自分の負傷は一切伝えてはこなかった。言葉でも、気配ででも隠されていたのだ。無言のまま彼に近寄り、手を伸ばす。きつく布を巻かれた肩に指先でそっと触れた。] ─── よく、戻った。[万感を込めて、短く告げる。]