[道具を準備した所で、改めて向けられた背に向きあう。
改めて見るとやっぱり逞しいなあ、なんて思考は、裂かれた傷とそこから滲む色にどこかに飛んだ]
……あー、もう。
結構、切られてるじゃないかぁ……。
普段怪我しないひとは、怪我への自覚が薄いってホントだね。
[そんな文句を言いながら、滲む紅を丁寧に拭って、複数の薬草を原料とした薬を丁寧につけていく。
……なお、結構沁みる薬なのは、余談。
効果優先になりがちなのは、ある意味公国の仕様だった。
それが終わったら、上から止血のためのテープをぺたぺたと貼り付けていって、応急処置は一先ず終わり]