[それから何があったのかはよく覚えていない。『お願い…私を殺して…』獣が自分にとびかかった瞬間、耳元でそんな声を聴いた気がする。覚えているのは、ただそれだけ。気が付いたときには、肩に傷を負っていて、手には血に塗れたナイフ。そして目の前には、変わり果てた恋人の姿があった。]