ヨアヒムが言う通り>>220、ここは温暖な気候が売りの一つだ。何せ――。
[”雪が降ったのは100年前が最後だって聞いている。”
つい迂闊な台詞を漏らしそうになって、慌てて口をつぐむ。前回の騒動を連想させる単語は慎まなければ。
宿屋に集まった人間は現時点では全て敵と考えている。
万が一協力してくれる人物がいたら自分達にとって有益であるが、協力させることに成功する可能性が見出せないうちは慎重に行動すべきだと。]
何せ、俺も豊穣の村で雪を見るのは生まれて初めてだ。
[そこで慌てて当たり障りのない言い回しで誤魔化し、ヨアヒムへ全くその通りと頷いた。]
俺の親父は隣村に出ている最中だ。この雪では当分戻れない。もし俺がそんな状況になったら、残したパメラが心配でいてもたってもいられないに決まってる。
寂しがり屋の妹を置いて、何をしているんだ!ってな。
[お兄ちゃんの存在は特別と言われて、そっかな?とデレデレしつつも、酷く緊張していた。]