あれ。
やあ、キミたちか。
この間はどうもありがとう。
[はらはらと視界を掠める燐光に、
馴染みの精霊が降りて来たことに気づくと、礼の仕草を取る。
年若い双子の男女の精霊で、世界樹の異変への調査協力をしてくれている中のふたり。
囁きかける声は鈴のような音色。それに耳を澄ませて、]
え?…ああ、いや、違うんだ。
今日は調査じゃなくってね。
俺の上司――聖神神殿のルートヴィヒ神官長から、
地水火風それぞれの精霊族の長へ、届け物を預かってきたんだよ。
[事前連絡なしに訪れた理由を問いたげな彼らには、
水晶球の入った袋を示して説明を行う。]