― 旅人と ―
いや、何。困ったときはお互い様さ。
[ニコラスのお礼>>159に対し、いつも使う言葉を口にした。旅慣れていようとも、初めて訪れただろう土地でアクシデントに遭ったらすごく大変だと言外に示して。
温泉で温まった直後らしく、血色も良く見える。これなら怪我も順調に回復するだろうと安堵した。
そこからの連想からか、初めて会ったときの旅人の様子も頭に浮かぶ。
普段の行いだけでなく、外見の悪さのために、顔を合わせた人に敵意を向けられることは少なくない。特に女性には、とって食われると警戒されやすいのか、しばし怯えられたり避けられたりしがちだ。]
おーすげえ傷だなー。手当てできるとこまで案内すっけど、歩けるか?
[敵意がこめられた強い視線を向けられた>160とき、怪我で気が立っている野生動物が連想されて。咄嗟に両手を肩の高さにまで上げて、敵意がないと意思表示する。
自分は警戒されているようだし、ジムゾンやフリーデルの手を借りなくてはと考えていた。
特にニコラスの側に支障がなければ、真っ直ぐ教会に案内するだろう。]