???[その馨が――湖の向こうに住む城の主様達と、どこか同じような匂いがしたと言うことは知らされず。無邪気に小首を傾げて、母が人里から得てきた数少ない絵本に描かれてきた王子様のような男達に手を差し伸べる。そのとき、いつも首から下げている"本当の母の形見"が月光を受けて煌めいた。*]