彼女を殺してしまっては──彼女は魔物との戦いに殉じた乙女として列聖されてしまうだろう。 それでは、本末転倒だ。 私は、彼女を神の贄という運命から解き放たんがために、闇の洗礼を施したというのに。 否── すでに、ユーリエは自らの裡に独自のものを宿していた。 私の行為はそれを裏付けたただけのこと。[ヴィンセントの預かり知らぬところで、元使徒もまた、呪をかけた。>>193]