実はな、しばし領域を離れる事となった。聖蓮の築く千年紀を見て歩いてみようかとな。……遅くとも、次の『王華の選』までには戻るとは思うが。選の事を忘れるな、と聖蓮にも釘を刺されておるでな。[最初に告げるのは、しばし領域を留守にする旨]……最初は、また千年《ちとせ》微睡む心算でおったのだが。共に在りたい、と願われては、それだけという訳にはゆかぬのでな。[笑いながら言って、手を一度握り、開く。掌の上に舞い散るのは、淡い金の花弁が幾つか]