[戦が終わった後に、更に剣技を極める必要があるのか?と問い返されたが、彼は、はい、と頷いた]もっと力も技も…ちゃんと身につけたいんです。負けたくない奴が、いるので。[勝ちたい相手、ではなく、負けたくない相手がいる、と、笑み浮かべて言った彼に、剣士は一瞬目を見張り『そうか、お前にもそんな相手が出来たか』と、楽しげに頷いた]はい、多分、俺はあいつを生涯、追い続けるんだと思います。[共に在れる時間は多くはないだろう。次に別れれば二度と出会うこともないかもしれない。だが恐らく、彼が心の内に、戦友《とも》であり強敵《とも》であり…親友《とも》と呼べると信じているあの金褐色の傭兵は、常に並び立つ事の出来る自分であるために、追い続ける存在として、決して消えることはない]