だから……きみの翼が巡る世界を、この欠片に見せてあげてほしいんだ。 何も特別な事は必要なくて、きみはきみの翼の赴くままに自由に生きてくれればいい。 ただ、その道行にこれを付き合わせて、この世界の風に触れさせてほしい。 ……俺が自分でやるってわけには、どうしても行かなくてね。 どう、かな……もちろん、無理にとは言わないから、そこは安心して。[ゆるり、首を傾いで問う。穏やかな口調は、強制する意思はない、と感じさせる響きを帯びていた。*]