このままでは起きるぞ、 “革命” が。
軛は直きに限度を超えて、
理想・憶測では制止をみないだろう。
怒りに沸く民に踏み躙られるよりは、
俺が手向ける方が幾分慮れる。
大切に思っていたものに欺かれる、
それが如何に失意を伴うのか分からないと。
そう言うならば、刃を振るうが良い。
[滑らす凶刃は彼が剣を持つ方の手を狙い、返す刃でその大腿に線を引かんと舞った。
だが、彼らは気が付いただろうか。
白鷹は、王子を襲いはしない、という事に。
あれは良く知っているのだ。
俺が本当は王子を翳したい筈などなく。
そうする事で国から出させようとしていた事を。
(彼がこの国を愛すると答えたが故に、成し得なかった事を。)
尚書官長補佐の彼に向けて、俺が刃を振るえばその空白を埋めるように鷹が爪嘴で傷を増やそうとおそいかかってくるだろう。]