

[あの日から互いに触れる頻度が増えたとは言え、専らレトから手を伸ばすためにアデルから触れてくる、と言う機会は少なかった。
ましてや口付けとなれば当然返って来る方が珍しい。
それは仕方が無いと思っていたし、もう少しアデルが慣れてくれば、なんて思っていたために今のアデルの行動は予想外の何物でもなかった]
っ……
[不意打ちめいたそれに驚き以外の感情も沸き起こる。
箍が外れそうになった意識は場所が場所と言うことで間際で踏み止まり、衝動を無理矢理押し込めた。
ただ、欲求全てを抑えることは出来なくて、肩を抱いていた状態からアデルの腰へと腕を落とし、自分の正面へと引き寄せる]