四大精霊の長、か。
お会いしたことのない長も、
それぞれ気難しいと聞いてるけど…
[現在は危機にあるとはいえ、古来よりフラクシヌスが
平穏を保ててきたのは、精霊の営みによる恩恵があってこそ。
当然ながら、精霊への敬意は幼き頃より教え込まれている身、
精霊たちの領域は言わば神域に近いもので、畏れも抱く。
そして、なにより―――]
………
そう簡単に目通りを許してくれるかどうか。
菓子折りのひとつでも用意しておくべきだったかな。
[己にとっては、ある意味で敷居が高い。
軽口のように独り言ちるのも、張り詰めた精神を解そうとする心の動きゆえに。]