─ そのあとしばらくして ─
[ 暫く城下を歩き、帰ろうとした時に。
またその時に出会った別の軍部の人。
『丁度良い時に会った』
などと非番のあたしに話しかけるんだから
本当この人はどうしようもない、
なんて思いつつ、
託されたのは城内兵士への伝言。
でも拒否する身分でもなかったから。
だから結局あたしはつかの間の休息も
満足ゆくまでは取れずに、
何故かあのあと城内にいるのだけれど。
その用命を成し遂げた帰り道、
城内の廊下をカツカツと足音が響くわ。
向かいから歩いてくるのは
……誰だったかしら。 >>223
だけど、それが誰だかは分からなくとも
きっと目上の人でしょう。
びしりと背筋を正して敬礼をしたわ。
相手は応えてくれたかしら。 *]