[俄かに活気を増した広間で、娘たちの高い声が一際姦しい。
ふと、コンスタンツェが此方に気づいたかのように肩を震わせ
弁解を口にするのを聞けば、噛み殺した笑みが漏れた。]
く、くっ。
分かってるさ、コンスタンツェ。
アンタは昔と比べると随分大人しく……
いや、娘らしくなったと言うべきかね。
口は年々回るようになっているみたいだが。
[一方で、年々愛想が削げ落ち寡黙になってゆくオットーを見ると
単純に成長によるものと捉えてよいのか迷いどころではあった。
短い会釈>>197に同じものを返したが、悪ガキの一人であった
少年時代の彼ならばもっと溌溂とした挨拶が貰えたものだ。
雷を落とした時も、そうでない時も、
オットーとコンスタンツェは同時に見かけることが多かったためか、
ついつい今でも二人をまとめて見てしまう癖が抜けぬのだった。]