いや別に、観光とか贅沢したいとか、そんなことは考えてねー。
[この世界の暮らしを知る、くらいで止めてくれたなら、素直に頷けもするものの。
一歩引きつつ視線を向けた相手は、顔の位置は遥か下なのに、明らかに見下したかのような悪い笑みを浮かべる>>191]
お前、本当に勇者かよ……。
[どれだけ栄光あるヒーローだろうと、金の話を前面に出されれば幻滅するものだ。
などといちいち説教した所でまた喧嘩になりそうだから、そこは口を噤んで]
あーそうだ、俺、自分の部屋の後は訓練所に向かおうと思ってたんだけど……?
[儀式の間を出る直前の神官の声>>135は、一応耳に届いてはいた。
無論騎士の鍛錬所などとは思っておらず、日課であるトレーニングのために向かおうとしていたのだが*]