―回想―
[母の病没後、悲しみにくれる暇もなく、自分はいずこへかと連れて行かれることになった]
ファミーユの兄だから、どこか信じていた。なので彼にその日ついていってしまった。
連れて行かれた部屋で、抵抗する力を失った自分に、取り付けられる手枷と、足枷、そして首輪]
ファミル、どうして?
[泣きそうな顔で彼を見上げると、この家に自分はいるべきではない>>191と。
加えて、ファミーユもそう思っているがしかたなく一緒にいてくれてるのだと、そう伝えられた]
ファミーユが、ボクにそんなこと言うわけ……
[言葉は続かず、そのまま檻にいれられ馬車に揺られ、連れて行かれた先はその後を過ごすことになる地下牢。
自分を待っていたのは目深にフードを被った男で、母と共に逃げた相手だと知った時、自分は自由を失った]