−地下礼拝堂−
[>>205少女がひどく落ち着いた様子だったので、男も落ち着きを取り戻す。]
…お前はどうやって、その…。いや、何でもない。
[死んだんだと聞こうとして口をつぐむ。落ち着いているとはいえ、あまりにデリカシーのない言葉な気がした。]
…あぁ、はじめまして。
[聞いてはいたが、実際に姿を見れば教会に対する負の思いは膨らんだ。どうしてこんな子供が巻き込まれなければならないのかと。
男の身体を見て驚く姿は年相応−男の予想は実際の彼女の年齢よりは下だが−のもので愛らしい。
何が可笑しいのか、声を立てて笑う少女を見ていると、妹の数年前を思い出して目を僅かに伏せた。]
…一応、辛うじて生きてはいる。
死んでも天からの迎えは来ないと思うぞ。
[肩を竦めてみせながら苦い笑みを浮かべる。人間であった頃から、神の存在は信じていない。]