人狼物語−薔薇の下国

21 剣と想い ─少年たちの継承戦争─


白の剣士 ジークムント

[戦乱の間隙となったとある日、彼を尋ねて一人の男が陣を訪れた。放浪の剣士であるその男は、かつてその腕を買われて彼の父に傭兵として雇われていて、その見聞の広さと人柄に惹かれて、彼が父に隠れて、密かに剣の教えを乞うた相手だった。ちなみに、父に勘当されて後の彼の言動が、多分にこの師を真似た結果であるのは余談だが]

お久しぶりです、カルロス。良く俺の居所が判りましたね。

[意外の念を押さえられず最初にそう問いかけた彼に、男は、どこか複雑な顔で、それだけ目立てば嫌でも判ると告げた]

ああ…その、すみません、俺はまだ力不足で、今はなりふり構っていられないですから、こういう、はったりも必要なんです。

[苦笑して少々言い訳じみた言葉を口にした彼は、次の瞬間、そうだ、と瞳を輝かせて師を見やった]

また俺に剣を教えてもらえませんか?今、ここに滞在してくれとお願いするのは無理でしょうが、この戦が一段落した後にでも。

(223) 2013/07/23(Tue) 09:16:18 (fuka)

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