[ 確かに綺麗な人ではあるが、感情が見えない── 何かを自ら隠しているような雰囲気を感じていた。 実際操縦士という立場上、あくまで乗客である僕と 関わることもそう無かっただろう。 ただ、最初に姿を見かけたのは結構前だったはず。 あまり変わらぬ姿を見る限り、似たような種族とは 思っていたが、別に僕は軟派気質では無いので、 ミステリアスな雰囲気の彼女と特段距離を縮めようとはしなかった。 寧ろ、面倒ごとには巻き込まれたくない年寄りだから。]