『……その前に、まずは分身を鎮めないとならないみたいね。
あまねく精霊の力、霊王のいとし子たる我に応じよ。
彼の深淵へ挑む者たちに、祝福と守りを授けたまえ。』
[薄墨色の空間に詠唱が響き、それは薔薇色の光を帯びた風を生み出す。
光が与えるのは、各自の特性強化と持続回復の術。
先に青年が与えたものとよく似て、少し違うもの]
『あたしは、現世との繋がりの維持に集中するから。
……皆、お願いね?』
[にっこり、と微笑んで告げた後、ティアナはす、と後ろに引く]
ん、後ろ、頼んだよ、ティア。
[下がるティアナに呼びかけた後、青年は改めて球体とその分身たちを見据え]