ペーターがもし処刑以外に有効な手段があると見つけてくれたなら。僕は喜んで耳を貸すよ。
[そう口にした途端、死にたくなるほどの自己嫌悪に襲われる。自分は自分を兄ちゃんと慕って子供の前で、何と偽善に満ちた言葉を吐いたのだろうと。処刑以外の手段がないと分かっていて、見つけてみせろなんて。示された希望が裏切られた瞬間こそが、尤も絶望の深い底に叩きつけられるのだと分かっているのに。
けれども今はペーターにとって耳さわりがいいであろう台詞を選択することを優先させた。誰に対しても優しく接することで信頼を得て人狼の役に立ちたい。そう計算して。]