[全てが終わって、呼び戻され。
顔を合わせた父は、無言で頭を撫でてくれた。
戦地から戻った時の、いつもの挨拶。
それに、緊張が僅かに緩むのを感じつつ]
「……お前に与えた務めは、まだまだ続くぞ」
[告げられた言葉に、ひとつ、瞬いた]
「いや……これからが、本番だ」
[立場が変わり、今までは接する事のなかった苦難にも晒されるであろう友を、これまでと変わらず守れ、と。
その言葉に否やを告げる必要は、やはりどこにもなくて]
……わかってる。
俺は、俺に出来る事、やればいいんだよな?
[確かめるように問えば、返るのは頷き。
迷いはやはり、どこにもなかった。*]