[嫌な音>>161が背中から全身に響き、遅れて激痛が走った。
自分でさえ触れたことのない翼にも痛覚があるという、知りたくなかった情報をまた一つ与えられた脳内は赤く染まる。]
くっ、…殺せっ!!
[翼が折れて飛べなくなっても、真に穢されぬ限り神は天へと迎え入れてくれる。
知っていても、与えてくださったものを、変わって行く体と意識の中で唯一そのままでいた翼をもがれてしまえば。失うくらいなら。]
この翼が欲しいか!!なら、殺してからいくらでももぎ取れ!!
はやく殺せ、殺せぇ!!
[零すまいと誓った涙の粒を目尻に浮かべ、肩越しに振り返る。
血走った目は、それが冗談などではなく本心の訴えなのだと伝えるだろう。*]