…撤退と聞きましたが、
[ ぐ、と傷を押さえた右手に力を込め、マチスの顔だけをみつめる ]
第二格納庫に、第三航空部隊の機体があります。いつでも飛べる状態にしてある筈ですから、俺は、そちらに向かおうかと。
可能でしたら、送って頂けますか?
[ コンラートの率いる航空部隊は、宇宙船開発のテストパイロットに駆り出されて以来、開店休業状態だった。だが、元々は、腕自慢のパイロットが揃う部隊だ。自分も含め、腕は落ちていないはずと自負していた ]
あの天使相手に、どこまでやれるかは判りませんが…黙ってやられっぱなしってわけには、いかないでしょう?
部下の仇もとってやらなきゃいけないですから。
[ 天からの光に貫かれて消えた副操縦士は、航空部隊でもコンラートの副官を務める男だった* ]