――城内どこかの廊下――
[城内を歩くと小さな声で語りかける。
独り言だと思われるぞなんて言葉は残念ながら届かない。
まぁ、一言でも鳴けばパシリと胸ポケットが叩かれるだろう]
アレクシスさんが私に用などあるわけないんですよ。
昔はお世話になりましたが……。
[軍にいた頃の知り合いだと言っていた。
貴族であり、父親が軍にいた関係で
腫れ物に触れるように扱われているところを
手を差し伸べてくれたらしい。
話を聞いたり、日頃の二人の様子を見る限り、
あちらにそのつもりがあったかは少し疑問だけど。
さらに歩みをすすめると誰かに会うこともあるかもしれない。
誰かが声をかけたなら立ち止まるだろう*]