[精一杯の笑顔、だがどこか作り物めいた硬い表情しか作れなかった。]
は、はい。恐縮でありま……
[などとシロウがビッと畏まった言葉で話そうものなら。>>220]
はい、いえ、その。わかっ、た。
この祝宴をっ、楽しんでいってくれさいょ……。
[などと物凄く情けなく、最後は小声で。
酔いなど完全に覚めてしまっているのだが、まさに酔っ払いの口調である。
しどろもどろで、シロウは大変困ったようだ。
よーく見ると遠目にはお忍びの王様を護る為にチラチラと光る眼があった。仕事中の部下の眼が恐い。
シロウはごふごふと咳き込みつつ、酔うに酔えない祝宴という状況に冷や汗がダラダラと出るのであった。]