お久しぶり……というほどでは無いかな。
一桁の年数なんて昨日の出来事のようなものだからね。
[ ナネッテという乗員が存在していたのは知っていた。
銀羊号でリハビリ兼監視中の身分で滞在していた時。
気心の知れた知人が彼女に熱を上げ、幾度と相談を
持ち込まれていたのだから。
「どうすればナネッテさん振り向いてくれるだろうな?」
「クールビューティー最高だよな! たまらん!」
等告白の相談や布教を延々と聞かされていたものだ。
本人が幸せそうだったから止めておくんだ、とは
言わなかったが。
その後、彼がどうなったかは知らないが、
玉砕したのだろうという謎の自信はある。]