―自室にて―
あの領主、何か秘密を抱えているのは間違いないわね。
[情報くらいはこちらも集めている。
かつてこの国にいた、クレステッドと瓜二つという領主ウィルフレッドのこと>>160。
名目上、クレスの「先々代」ということになってはいるようだが。
地元でさえ……あるいは地元だからこそ、同一人物説は根強い]
ま、あたしには関係ないけどね。
[自分が欲しいのは、あくまで地下の鉱脈利権だ。
断じて不老の秘密などではない]
個人的に、興味ないとは言わないけど。
余計なことに首を突っ込んだ奴から死ぬのが、この稼業だし。
[たとえば銃の密売を主な事業にしていた一家が、迂闊に麻薬に手を出して、既存勢力の反発を買い潰される。
そんなような光景は、過去に何度も目にしてきた。
裏稼業だからこそ、ある種の「分相応さ」が大事であり。
それこそが、ここまで生き延びられた秘訣だと思っている]